平成28年度 平鹿総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,149 177 130 258 319 619 1,491 1,498 1,667 440
  平鹿総合病院は県南の中核病院として、多様な機能を有し、急性期医療を中心に秋田県の医療の一部を担っています。県南医療圏も人口減少の傾向にありますが、高齢化により医療の需要は今後更に増大すると思われ、当院でも県内の各病院や地域の医療機関と連携しながら医療を提供しています。
 また、地域周産期母子医療センター・地域療育医療拠点として妊産婦や新生児の受け入れも行っています。
 入院患者さんの年齢構成比では全国と同様に60歳以上の構成比が高く、65.8%を占めています。
※上記退院患者数は自賠、労災、自費を含む入院を除きます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器・糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管結石、胆管炎、胆のう炎等 内視鏡的胆道ステント留置術、内視鏡的胆道結石除去術等あり 処置2なし 副傷病なし 82 11.18 11.06 2.44 76.23
060020xx04x0xx 胃癌 内視鏡的胃,十二指腸ポリープ・粘膜切除術あり 処置2なし 61 9.92 9.02 0 70.26
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍等 内視鏡的消化管止血術等あり 処置2なし 副傷病なし 35 16.49 10.93 0 70.11
060010xx02x00x 食道癌 内視鏡的食道粘膜切除術、食道ステント留置術等あり 処置2なし 副傷病なし 24 12.79 9.91 0 73.75
060102xx99xxxx 腸憩室炎、腸憩室出血等 手術なし 23 16.35 7.89 0 59.83
 当院における消化器・糖尿病内科の診療は消化管領域/胆膵領域/肝臓領域/糖尿病内分泌領域の4分野に大別されます。当院ではどの医師も上記全領域に精通しつつ、かつ専門性を強く発揮しています。
 平成28年度の消化器・糖尿病内科における患者数第1位は胆管結石・胆管炎・胆のう炎に対する内視鏡的手術施行症例です。胆道ステント留置術や胆道結石除去術、経皮的胆管ドレナージ術など低侵襲な手術がなされてます。
 また、消化管における早期癌の治療においても内視鏡的手術が行われ、その件数は増加傾向にあります。
 上記の件数から除外はされていますが、短期滞在手術(※)として大腸ポリープに対する内視鏡的切除術も年間200件以上施行されています。
※短期滞在手術:厚生労働省により定められた一定程度標準化し、短期に退院可能な手術。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺癌等 手術あり 処置2なし 30 10.43 12.73 0 68.63
040040xx99040x 肺癌等 手術なし 処置1なし 化学療法あり放射線療法なし 副傷病なし 27 6.22 12.35 0 70.11
060210xx99000x 腸閉塞(イレウス) 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 25 15.84 9.08 0 73.84
060035xx01000x 結腸癌 結腸切除術(腹腔鏡下を含む)等あり 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 22 17.09 15.92 0 76.05
060020xx02x0xx 胃癌 胃切除術(悪性腫瘍手術)等あり 処置2なし 14 20.36 17.65 0 67.36
 外科での治療は肺、食道、胃、大腸、肝胆膵領域の悪性腫瘍や、高齢者に多く発症する腸閉塞、外傷に対する治療まで多岐にわたります。
 平成28年度は肺癌に対する治療が多く行われました。第1位は胸腔鏡下を含む肺悪性腫瘍手術施行症例です。これに肺癌に対する化学療法を施行した症例が続いています。
 腸閉塞に対する保存的療法も例年多い傾向にあります。結腸癌や胃癌に対しての開腹手術も多く行われていますが、比較的早期の病変に対しては腹腔鏡下手術も施行しており、今後適応を拡大していく予定です。
 短期滞在手術(※)である鼠径ヘルニア手術施行症例は集計上、上記に含まれませんが、57件と最も多い症例でした。
※短期滞在手術:厚生労働省により定められた一定程度標準化し、短期に退院可能な手術。

乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx03x0xx 乳癌 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)あり 処置2なし 33 5.24 6.59 0 62.36
090010xx02x0xx 乳癌 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)等あり 処置2なし  26 10.08 10.30 0 56.81
090010xx01x0xx 乳癌 乳房切除術(腋窩部郭清を伴うもの・胸筋切除あり/なし)等あり 処置2なし 19 9.32 11.57 0 61.79
090010xx97x0xx 乳癌 その他手術あり 処置2なし - - 6.11 - -
090010xx99x10x 乳癌 手術なし 中心静脈注射等あり 副傷病なし - - 14.63 - -
 当院は秋田県南地域において、唯一乳腺専門医が在籍する病院であり、標準的な治療の提供のために積極的に活動しています。
 入院の80%以上が乳癌に対する手術・化学療法を含む治療症例であり、診断群は手術時の乳房切除の範囲やリンパ節郭清の有無によって分けられています。これらの術式は外来でのマンモグラフィ検査、超音波検査、針生検などに加え、術中の迅速診断とともに決定されます。
 また、当院には乳がん看護認定看護師が在籍し、豊富な知識と経験で患者さんを支えています。
※10件未満の症例には-(ハイフン)を表示しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 大腿骨骨折(転子部・頚部・骨幹部等) 骨折観血的手術(肩甲骨・上腕・大腿)・人工骨頭挿入術(肩・股)等あり 78 45.72 27.63 1.28 84.23
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎骨折等 手術なし 副傷病なし 33 26.45 20.57 3.03 74.73
070350xx97xxxx 椎間板ヘルニア等 椎間板摘出術・椎弓形成術等あり 25 32.56 17.07 0 58.40
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む) 人工膝関節置換術等あり 19 35.47 26.26 0 74.79
160620xx01xxxx 膝靭帯損傷、半月板損傷等 関節鏡下半月板切除術・靭帯断裂形成術等あり 18 13.44 11.91 0 31.78
 整形外科では大腿骨の骨折や股関節の脱臼に対して手術を施行する症例が最も多くなっています。平均年齢も非常に高く、高齢者の転倒による受傷が原因の多くを占めています。
 第2位も転倒や外傷による胸椎や腰椎の骨折症例で、これらはコルセットなどで保存的に治療されます。第1位・2位ともに緊急入院がほとんどです。
 その他、ヘルニア手術や変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術、半月板損傷や靭帯の断裂などのスポーツ外傷に対する手術が多く行われています。
 定期的に科内でレントゲンや術前、リハビリのカンファレンスを行い、治療方法を検討し、その都度最良の方法を模索しています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症・陳旧性心筋梗塞・慢性虚血性心疾患等 手術なし 心臓カテーテル検査あり 処置2なし 副傷病なし 202 3.88 3.06 0 68.12
050210xx97000x 徐脈性不整脈(ペースメーカー挿入後を含む)等 手術あり 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 82 14.85 11.38 0 79.38
050050xx02000x 狭心症・陳旧性心筋梗塞・慢性虚血性心疾患等 経皮的冠動脈ステント留置術等あり 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 79 7.28 4.71 0 69.54
050130xx99000x 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 68 27.91 17.95 0 83.21
050030xx97000x 急性心筋梗塞等 経皮的冠動脈ステント留置術等あり 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 58 18.07 13.02 0 67.74
 循環器内科では心不全のほか、狭心症や心筋梗塞などの心疾患から脳梗塞や動静脈閉塞性疾患、肺炎、またこれらと併存する多様な疾患に対し、他科と協力しながら診療にあたっています。
 その中で最も多いのは狭心症に対する心臓カテーテル検査施行症例です。県南で唯一24時間365日心臓カテーテル検査、心臓カテーテル治療が可能な病院として、横手平鹿圏外からも多くの患者さんを受け入れています。
 狭心症や急性心筋梗塞では冠動脈ステント留置術等が行われ、徐脈性不整脈では各種ペースメーカーの移植・交換術施行症例が多くなっています。
 高齢化に伴い、心不全患者数も増加傾向にあり、この診断群の平均年齢は特に高く、入院も長期化する傾向にあります。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99040x 肺癌 手術なし 処置1なし 化学療法あり放射線療法なし 副傷病なし 69 18.91 12.35 0 70.30
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 副傷病なし 60 44.53 21.25 0 86.78
040040xx9910xx 肺癌 手術なし 気管支鏡検査等あり 処置2なし 53 3.13 3.68 1.89 71.58
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置2なし 43 29.56 19.92 0 74.07
040040xx99000x 肺癌 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 38 22.95 14.83 0 77.63
 呼吸器内科は県南地域における呼吸器疾患の中心的病院として近隣の医療機関から紹介を受けることも多い科です。しかし、高齢化による患者さんの増加に対して医師の充足が間に合わず、応援をいただきながら診療にあたっています。
 呼吸器内科第1位の診断群は肺癌に対する化学療法目的の入院です。入院の全体を見ても呼吸器内科の半数を肺癌の症例が占めています。
 その他誤嚥性肺炎や間質性肺炎なども多く、胸部CT、MRIなどの画像診断の他に、気管支鏡検査 、必要に応じてX線透視下ないし超音波下穿刺吸引針細胞診、胸膜生検、肺機能検査などによる正確な診断に努めています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 化学療法あり 13 112.15 41.96 7.69 52.77
130030xx97x40x 悪性リンパ腫 手術あり 化学療法(リツキサン)あり 副傷病なし 12 114.00 34.90 25.00 67.33
130030xx99x40x 悪性リンパ腫 手術なし 化学療法(リツキサン)あり 副傷病なし - - 16.83 - -
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫等 手術なし 化学療法(ベルケイド・レブラミドカプセル等)あり - - 25.11 - -
130040xx97x5xx 多発性骨髄腫等 手術あり 化学療法(ベルケイド・レブラミドカプセル等)あり - - 43.48 - -
 血液内科の診療領域は造血器腫瘍のみに留まらず、自己免疫疾患、内科的腎疾患、その他の血液疾患と広範囲にわたります。
 その中でも平成28年度最も多かった症例は悪性リンパ腫に対し、手術と化学療法が施行された症例です。手術は診断ためのリンパ節摘出術や輸血などが必要に応じて行われました。化学療法に使用される薬剤は採血やリンパ節摘出術によって得た病型と様々な要因を組み合わせて検討され、決定されます。
 また急性白血病における化学療法施行例と多発性骨髄腫に対する化学療法施行症例も上位を占めています。ガイドラインに則って検討を行い、日々治療にあたっています。
※10件未満の症例には-(ハイフン)を表示しています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 外傷性硬膜下出血・血腫等 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等あり 処置2なし 副傷病なし 37 11.86 9.87 8.11 78.38
010040x099x00x 脳内出血 JCS10未満 手術なし 処置2なし 副傷病なし 35 45.80 19.35 28.57 71.97
010060x2990401 脳梗塞 発症3日目以内JCS10未満 手術なし 処置1なし エダラボンあり 副傷病なし 重症度高 35 27.06 16.54 11.43 71.71
010230xx99x00x てんかん 手術なし 処置2なし 副傷病なし 31 17.58 7.12 3.23 62.03
010060x2990411 脳梗塞 発症3日目以内JCS10未満 手術なし 処置1なし エダラボンあり 副傷病①あり 重症度高 22 26.32 18.76 9.09 76.59
 脳神経外科の第1位は頭蓋(内)損傷に対する手術症例でほとんどが慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術施行症例です。これらは80%以上が緊急入院し、手術を施行された症例です。第1位の症例には頭部の損傷に対して皮膚縫合を行い、保存的に経過観察をした症例も含まれています。
 その他の症例は脳内出血や脳梗塞、てんかんに対して脳保護薬などの点滴による保存的治療を施行した症例です。ほとんどが緊急入院で発症・受診から早期に治療が開始され、患者さんの症状軽快に全力を尽くしています。
 また、脳神経外科では他医療機関との連携が特に強く、当院での治療終了後、転院し治療やリハビリテーションを継続する患者さんもいます。
 脳神経外科領域の診断群は発症から入院までの期間や、意識障害の度合い(JCS)、発症前の日常生活における障害の有無による重症度などによって、診断群が細かく分かれています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x10x 未破裂胸腹部大動脈瘤等 ステントグラフト内挿術あり 中心静脈注射等あり 副傷病なし 18 23.94 16.98 0 75.94
050180xx97xxxx 下肢静脈瘤等 大伏在静脈抜去術等あり 13 5.54 3.34 0 63.38
050080xx01010x 心臓弁膜症 弁置換術・弁形成術等あり 処置1なし 中心静脈注射等あり 副傷病なし 11 35.09 24.70 0 70.09
050163xx02x1xx 未破裂胸腹部大動脈瘤等 大動脈瘤切除術あり 処置2なし - - 21.94 - -
050161xx9901xx 大動脈解離等 手術なし 処置1なし 中心静脈注射等あり  - - 23.16 - -
 当院は日本心臓血管外科学会の認定施設であり、県南の拠点病院として、大血管手術・静脈瘤手術・心臓手術など行い、心臓の外科的治療を必要とする患者さんに向き合っています。
 平成28年度は胸腹部の大動脈瘤に対するステントグラフト挿入術施行症例の実施が最も多く、同じく大動脈瘤に対する大動脈瘤切除術も第4位に入っています。
 他の症例も手術実施症例が多いのですが、大動脈解離に関しては降圧薬などによる保存的治療がされることもあります。
※10件未満の症例には-(ハイフン)を表示しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎・急性細気管支炎等 副傷病なし 181 5.55 6.02 0 1.87
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎等 手術・処置2なし 179 4.44 5.50 0 4.46
030270xxxxxxxx 上気道炎・咽頭炎等 144 4.89 4.83 0 3.07
140010x199x00x 新生児疾患 出生時体重2500g以上 手術なし 処置2なし 副傷病なし 85 5.67 6.18 0 0
140010x199x1xx 新生児疾患 出生時体重2500g以上 手術なし 中心静脈注射等あり 61 9.93 12.00 1.64 0
 当院の小児科では感染症での入院が多く、RSウイルスや溶連菌による気管支炎・上気道炎が上位になっています。ウイルス性腸炎ではロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスによる感染性胃腸炎が多くなっています。
 小児科の第1位~3位の診断群で小児科入院の40%以上を占めています。
 また、当院は地域周産期母子医療センターであり、分娩数の増加に伴い新生児の入院件数も増加傾向にあり、入院を必要とした新生児は昨年度より20件ほど多い204名でした。
 
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120010xx99x50x 卵巣癌等 手術なし 化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)あり 副傷病なし 42 3.83 4.92 0 64.93
120060xx01xxxx 子宮良性腫瘍(子宮筋腫等) 子宮全摘術・子宮筋腫摘出術等あり 23 9.70 10.05 0 44.74
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 23 2.00 6.05 0 33.39
12002xxx99x40x 子宮頸癌・体癌 手術なし 化学療法あり放射線療法なし 副傷病なし 20 3.75 5.12 0 60.90
120165xx99xxxx 妊娠合併症等 手術なし 18 14.94 12.29 5.56 32.78
 平成28年度は卵巣癌に対する化学療法施行の症例が第1位でした。第4位は子宮癌に対する化学療法施行症例です。化学療法の薬剤や方法によってはひと月に複数回入院が必要なこともあり件数が多くなっています。
 また、当院は地域周産期母子医療センターに指定され、県南地域における周産期医療の中核病院として近隣の医療機関からの紹介や里帰り分娩の妊婦さんを数多く受け入れています。平成28年度は妊娠中の母体管理入院が上位に入っており、糖尿病や妊娠高血圧などを合併した妊婦さんの慎重な管理を行っています。分娩につながる入院は自費を含むため、上記件数から除外されていますが、分娩時の異常(分娩停止、微弱陣痛、帝王切開後妊娠など)により吸引分娩や帝王切開を行った症例は100件以上ありました。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂症 手術あり 処置2なし 13 2.00 3.44 0 62.08
080007xx010xxx 母斑・皮膚良性腫瘍等 皮膚・皮下腫瘍摘出術等あり 処置1なし 10 2.80 4.28 0 17.70
070010xx010x0x 良性軟部腫瘍等 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等あり 処置1なし 副傷病なし - - 5.94 - -
140140xxxxxxxx 口唇・口蓋裂等 - - 9.91 - -
160660xxxx1xxx 皮下軟部損傷・開放創等 処置1あり - - 26.88 - -
 当院の形成外科は県南唯一の形成外科であり、多くの外来手術に加え上記のような疾患に対して手術を施行しています。
 眼瞼下垂症に対する手術施行症例が第1位となっています。
 また、様々な部位に対して皮膚・皮下腫瘍摘出術が行われていますが、詳細な部位や性状によって診断群が異なるため件数としてはばらつきがあります。第2位の症例では出生時からある母斑や様々な部位の良性腫瘍に対して摘出術が、第3位では良性軟部腫瘍に対して摘出術が、第5位では主に手足の開放創に対して植皮術や動脈皮弁術等が行われています。
 その他、東北大学形成外科と連携をとりながら、唇顎口蓋裂関連の手術を年齢や成長に合わせて施行しています。
 近年は乳癌手術後の患者さんに対して組織拡張器・シリコンインプラントを用いた乳房再建術も徐々に増加傾向にあり、患者さんの希望を伺いながら、慎重に検討し手術を行っています。
※10件未満の症例には-(ハイフン)を表示しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱癌 経尿道的膀胱悪性腫瘍手術あり 処置1なし 処置2なし 63 7.03 7.44 0 73.43
110310xx99xx0x 尿路感染症・腎盂腎炎等 手術なし 副傷病なし 35 13.97 12.43 0 67.89
11012xxx020x0x 腎結石・尿路結石等 経尿道的尿路結石除去術等あり 処置1なし 副傷病なし 34 6.76 5.83 0 64.09
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術あり 19 11.37 9.98 0 67.79
110280xx02x00x 慢性腎不全・慢性腎炎等 内シャント設置術等あり 処置2なし 副傷病なし 16 7.81 8.87 0 63.25
 泌尿器科では尿路感染症、尿路結石症(腎結石・尿路結石・膀胱結石など)、膀胱悪性腫瘍に加えて排尿障害や腎不全等を主に扱っています。
 平成28年度は膀胱癌に対する経尿道的(内視鏡的)摘出術施行目的での入院が最も多く、これは平成27年度の約2倍の件数となっています。退院後に外来や再入院で化学療法を実施することもあります。 
 第2位の尿路感染症・腎盂腎炎等の症例では全てが緊急入院で診断後直ちに治療開始することにより状態の悪化がないよう治療にあたっています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 慢性扁桃炎・アデノイド肥大症等 46 9.13 8.12 0 13.02
030400xx99xxxx めまい症候群・末梢性めまい・メニエール病等 手術なし 32 6.59 5.24 0 66.06
030390xx99xxxx 顔面神経麻痺等 手術なし 29 12.28 9.60 3.45 62.10
030428xxxxxxxx 突発性難聴 26 11.96 9.37 0 64.46
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍・急性扁桃炎等 手術なし 13 7.23 5.50 0 46.08
 当科でも上記を含む多くの診断群において近隣の医療機関から手術や入院加療に関しての依頼があり、連携を図りながら診療にあたっています。
 最も多い診断群は慢性扁桃炎やアデノイド肥大症等に対して扁桃腺・アデノイド切除術が行われた症例です。この症例の80%近くは中学生以下のお子さんに行われています。
 また、めまいや顔面神経麻痺、突発性難聴、扁桃周囲膿瘍に対する点滴治療も多く行われており上位を占めています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障等 手術あり 片眼 - - 2.91 - -
 平成28年度は眼科入院の全てが白内障に対する手術目的の入院でした。 
白内障の水晶体再建術は短期滞在手術(※)基本料算定の症例に該当し、上記から除外されますが、昨年度は206件施行されています。当院での白内障手術での入院は全て1泊2日で行われ、他院で施行できないような併存疾患をお持ちの患者さんの手術も施行しています。
上記の診断群は転院または短期滞在手術基本料算定に該当しない手術を施行した症例であり、DPC算定されることは当院では稀なことです。
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初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 75 13 24 16 10 18 1 7
大腸癌 24 13 23 29 13 18 1 7
乳癌 29 32 10 - - 12 1 7
肺癌 22 - 39 75 62 103 1 7
肝癌 - 12 - - - 16 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 当院では外科、消化器・糖尿病内科、呼吸器内科、乳腺外科が上記の5大癌を扱っています。
 癌のStage(ステージ)とは、癌の大きさ・進行度、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によって分類されるもので、治療方法を大きく左右します。そのため、Stageの診断にはX線撮影や採血の他、超音波検査やCT、MRI、必要に応じてPET-CTや生検等を行うこともあります。
 胃癌・大腸癌は早期であれば内視鏡的に切除できることが多く、まずは内視鏡検査によって癌の進行度が調べられます。
 乳癌は癌の大きさ、広がり、腋窩リンパ節への転移の有無などにより切除範囲が決定されていきます。
 肺癌では、進行度によって胸腔鏡による切除術を行うことがあります。
 肝癌でも、Stageなどに応じて肝切除術の他、血管塞栓術やラジオ派焼灼術等の低侵襲な手術が行われることがあります。
 全ての癌において必要に応じて抗癌剤などによる化学療法や放射線療法が組み合わされ、治療を進めていきます。
 近年は健康診断の受診推進により、早期に癌が発見されることも多くなりましたが、近隣の医療機関から紹介される重症例を扱うことも少なくありません。そのため、県南のがん拠点病院として、癌に対する手術治療から薬物療法、放射線療法、緩和療法まで日々力を尽くしています。
 上記の各癌における「不明」の中には、検査のため入院し、結果として癌と診断されなかった症例も多く含まれています。
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成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 8 11.75 56.88
中等症 68 23.47 78.59
重症 30 22.17 83.23
超重症 16 32.19 84.44
不明 - - -
 成人市中肺炎とは病院外で日常生活をしていた人に発症する、ごく一般的な肺炎ですが、年齢・脱水症状の有無・呼吸状態・意識障害の有無・血圧によって評価されます。
 当院における成人市中肺炎入院の重症度は年齢に比例して高くなっており、その分入院期間も長期化する傾向にあります。
 呼吸器内科だけではなく、多くの科で肺炎症例を扱うことがあり、全身状態を慎重に管理しながら適切な診療にあたっています。
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脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 11 9.55 76.18 0
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 222 39.72 78.08 12.83
その他 - - - -
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
 脳血管疾患には多くの診断群が含まれますが、当院では圧倒的に脳梗塞(I63$)が多く、そのほとんどが緊急入院かつ発症から3日以内での入院となっています。脳梗塞では県内の医療機関と連携し、転院した上で退院後の治療やリハビリテーションを継続して行うこともあります。
 一過性脳虚血発作(G45$)とは、脳の一部の血流が一時的に悪くなり、麻痺やしびれなどの症状が出現し早期に消失する疾患です。症状が一過性であるため、見落とされがちですが、他疾患の検索のためにも早期に受診することが望ましいとされています。
 その他の疾患は10件未満のものが多くありますが、各疾患に対する検査入院やカテーテル治療などが主な内容となっています。
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診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器・糖尿病内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 204 1.29 1.14 0 67.00
K654 内視鏡的消化管止血術 60 2.02 12.73 0 71.28
K6532 内視鏡的胃,十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術 59 1.07 8.42 0 70.05
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 41 3.78 13.07 2.44 73.68
K6852 内視鏡的胆道結石除去術 その他のもの 30 0.93 8.07 3.33 75.33
 当院の消化器・糖尿病内科における手術件数の第1位は大腸ポリープの内視鏡的切除術です。この手術は基本的に2泊3日で行われ、多くが良性腫瘍で治癒切除できた症例です。
 内視鏡的消化管止血術は、食道・胃・大腸などの消化管における出血を止血剤等を用いて止血する方法です。一入院中に複数回行われても件数としてはカウントされないため、実際の施行回数は100件を超えています。
 内視鏡的手術は体への負担が少なく、比較的早期に退院できる傾向にありますが、合併症等に注意しながら術後の慎重な管理を行っています。また、退院後の生活での注意点に関しても指導しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 79 1.62 1.95 0 60.37
K7193 結腸切除術 全切除,亜全切除又は悪性腫瘍手術 27 5.19 19.22 0 75.74
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 19 1.74 7.95 0 65.84
K6552 胃切除術 悪性腫瘍手術 17 3.47 19.29 0 69.41
K7401 直腸切除・切断術 切除術 12 8.58 40.33 0 71.75
 外科で最も施行数が多い手術は鼠径ヘルニア手術です。当院では短期滞在手術(※)として3~5日で退院できることがほとんどで、早期に日常生活に復帰することができます。平均年齢は60.37歳ですが80歳以上の方や10歳以下のお子さんにも発症することがあり、手術が行われています。基本的には局所麻酔で行われますが、小さいお子さんや、合併症をお持ちの方は全身麻酔で行われることもあります。
 胃や腸の悪性腫瘍では開腹による手術が多い傾向にありますが、比較的早期の病変に限って腹腔鏡下手術を施行することもあります。
 肺癌や縦隔腫瘍に対しては胸腔鏡下手術を中心に施行しています。体に負担が少なく早期に退院できるメリットがあります。
※短期滞在手術:厚生労働省により定められた一定程度標準化し、短期に退院可能な手術。
 
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 33 1.00 3.24 0 62.36
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 25 1.32 7.80 0 56.80
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの 14 1.00 7.36 0 60.57
K4741 乳腺腫瘍摘出術 長径5センチメートル未満 - - - - -
K4764 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。)) - - - - -
 乳腺外科としての手術は約80%が悪性腫瘍に対する手術です。平成28年度も約80件の悪性腫瘍手術が行われました。乳房の切除範囲やリンパ節・胸筋の切除の有無などによって術式は細分化されていますが、全体としての件数は増加傾向にあり、乳腺専門医在籍病院として、秋田県南における重要な役割を担っています。
 また、近年は乳癌手術後の再建術も増加傾向にあり、今後も増えていくことが予想されるため、日々患者さんの側に立った医療の提供に努めています。
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整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨,上腕,大腿 66 4.12 38.26 1.52 81.85
K0821 人工関節置換術 肩,股,膝 45 6.56 35.67 0 73.60
K0811 人工骨頭挿入術 肩,股 26 6.46 43.46 0 80.27
K1342 椎間板摘出術 後方摘出術 21 8.43 22.76 0 59.33
K1426 脊椎固定術,椎弓切除術,椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 18 6.22 24.78 0 63.72
 当院では様々な部位の骨折観血的手術に加え、股・膝関節の変性疾患に対する人工関節置換術や脊椎疾患に対する変形矯正手術を多く行っています。
 第1位の骨折観血的手術では大腿骨骨折に対する手術が最も多く、次に上腕骨骨折に対する手術が多くなっています。受傷原因はどちらも転倒を契機にしたものが多く、平均年齢も高い傾向にあります。
 術後にはリハビリテーションが行われることが多く、安心安全に日常生活が送れるように治療や指導がなされています。
 また、靭帯損傷や半月板損傷などのスポーツ外傷に対しては関節鏡による手術も行われています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 74 5.66 12.57 0 78.54
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 69 4.43 5.41 0 70.99
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 43 0 26.33 2.33 66.70
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 33 0 15.58 0 69.39
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 20 3.35 5.95 5 72.55
 当院の循環器内科では、県南の中核施設として心臓カテーテル治療を行っています。県南で唯一24時間365日心臓カテーテル検査、心臓カテーテル治療が可能な施設であり、横手平鹿のみならず、湯沢雄勝、大仙地区の患者さんも受け入れています。
 2位~4位は狭心症・心筋梗塞を発症した患者さんの冠動脈(心臓の筋肉に酸素や栄養を送る重要な血管)の狭窄部や閉塞部にステントと言われる網目状のトンネルのようなものを入れて、血液の流れを維持する手術です。急性心筋梗塞・不安定狭心症に対するステント留置術は緊急で行われます。早期に血流を回復することが重要なため、慎重かつ迅速に手術に臨んでいます。
 ペースメーカー移植術は例年40件ほど施行されてましたが、平成28年度は74件と大幅に件数が増加しました。
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4962 醸膿胸膜,胸膜胼胝切除術 1肺葉に相当する範囲を超えるもの - - - - -
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD) - - - - -
 当院では呼吸器内科として単独で手術を施行することはありませんが、患者さんの状態に応じて他科と協力しながら上記のような手術を行うことがあります。
 上記1位の手術は膿胸に対する手術、第2位は気胸に対する手術、第3位は肺炎に消化管出血を合併した症例でした。
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血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6261 リンパ節摘出術 長径3センチメートル未満 - - - - -
K300 鼓膜切開術 - - - - -
K6262 リンパ節摘出術 長径3センチメートル以上 - - - - -
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 - - - - -
K7162 小腸切除術 悪性腫瘍手術 - - - - -
 当院では血液内科として手術を施行することは多くありません。しかし、悪性リンパ腫等の診断過程でリンパ節摘出術を行うこともあります。
 また、合併症に対して上記のような手術を他科に依頼することもあります。
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脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 33 1.18 10.18 6.06 78.06
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 14 0.79 34.64 7.14 66.79
K1742 水頭症手術 シャント手術 12 10.33 20.17 0 73.33
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの - - - - -
 当院での慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は80%以上が緊急で行われています。慢性硬膜下血腫は頭部外傷をきっかけに硬膜と脳の間に徐々に血腫が形成される疾患で、頭痛・嘔吐、片麻痺や意識障害が主な症状です。受診から早期に診断し、手術を施行しています。
 脳動脈瘤頸部クリッピングは脳動脈瘤の付け根にクリップを挟み、瘤が破裂する原因である血液の流入を防ぐ手術です。
 脳神経外科では手術後にリハビリテーションを行うことが多く、転院してリハビリテーションなどの治療を継続する方もいます。
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心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612 ステントグラフト内挿術 腹部大動脈 13 11.08 13.85 0 76.62
K617-2 大伏在静脈抜去術 13 1.00 3.54 0 63.38
K5606 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの) - - - - -
K5522 冠動脈,大動脈バイパス移植術 2吻合以上のもの - - - - -
K5551 弁置換術 1弁のもの - - - - -
 当院は日本心臓血管外科学会認定施設として、毎年心臓胸部の大血管手術をはじめ、多くの手術を行っています。
 平成28年度は腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術が昨年度と同数の13件施行されました。近年では開胸・開腹せず、足の付け根の太い血管から、人工血管に金属製のバネのようなものが縫い付けられたステントグラフトを大動脈瘤部位で拡張させる、オープン型ステントグラフト内挿術も徐々に増えてきています。 
 術後はより慎重な管理が必要なため、集中治療室で管理されることがあります。
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小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの 42 0 12.52 0 0
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの - - - - -
K6261 リンパ節摘出術 長径3センチメートル未満 - - - - -
K653-3 内視鏡的食道及び胃内異物摘出術 - - - - -
K7151 腸重積症整復術 非観血的なもの - - - - -
 小児科における手術では新生児仮死蘇生術が最も多く行われました。これは、出生時に呼吸・皮膚・心拍等に異常のあった新生児に対して気道吸引や皮膚刺激、酸素投与や気管内挿管を施行するもので、産婦人科と連携しながら迅速かつ適切な治療にあたってます。小児科での手術施行例は80%以上が新生児仮死蘇生術です。その他必要に応じて他科と連携し手術を行っています。
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産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 21 1.00 7.95 0 48.14
K867 子宮頸部(膣部)切除術 15 0.20 1.33 0 43.13
K9091 流産手術 妊娠11週までの場合 14 0.07 0.86 0 34.50
K861 子宮内膜掻爬術 10 0 0.70 0 48.90
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術 腹腔鏡によるもの - - - - -
 当院では出産に関わる手術(吸引分娩術・鉗子分娩術・帝王切開術など)も数多く行われていますが、医療費に自費が含まれる症例に関しては上記の件数から除外されています。
 子宮全摘術は主に子宮筋腫の患者さんに施行されますが、年齢や筋腫の大きさによっては子宮筋腫のみを摘出する子宮筋腫核出術が行われることもあります。
 子宮頸部切除術は子宮頸部の悪性腫瘍に対して行われ、3日間で退院できることがほとんどです。
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形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術 眼瞼挙筋前転法 10 0 1.00 0 65.50
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 肩,上腕,前腕,大腿,下腿,躯幹 - - - - -
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 - - - - -
K0051 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル未満 - - - - -
K0063 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径6センチメートル以上12センチメートル未満 - - - - -
 当院では形成外科領域の手術は入院・外来を合わせると例年800件ほどになります。
 上記のような多くの手術は入院初日に施行され、翌日には退院となっています。各手術の件数は多くないものの、多種多様な手術を行っており、整形外科や耳鼻咽喉科など他科と合同で手術を行うこともあります。最近では乳癌術後の患者さんに対し、乳房再建術を行うこともあります。
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泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 その他のもの 65 1.46 4.66 0 73.60
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 31 2.03 4.42 0 63.68
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 27 5.48 9.04 0 64.74
K8412 経尿道的前立腺手術 その他のもの 20 1.50 8.75 0 68.05
K843 前立腺悪性腫瘍手術 15 1.00 13.80 0 64.93
 平成28年度の泌尿器科の手術件数では膀胱癌に対する腫瘍摘出手術が最も多く行われ、昨年度の約2倍の件数になっています。
 近年は尿路結石や腎結石などに対して、体外衝撃波による結石破砕術よりも経尿道的(内視鏡的)結石除去術の方が多く行われるようになってきました。
 また、当院では透析医療を行っており、新規導入患者さんも増加しています。このため、血液透析を行うための内シャント設置術が多く行われています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 46 1.00 7.13 0 13.02
K309 鼓膜(排液,換気)チューブ挿入術 - - - - -
K364 汎副鼻腔根治手術 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K3932 喉頭腫瘍摘出術 直達鏡によるもの - - - - -
 当院では慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃手術の件数が突出して多くなっています。この手術の約80%が15歳以下のお子さんに施行され、同時にアデノイド切除術を行うこともあります。
 鼓膜チューブ挿入術は難治性中耳炎等のお子さんに多く施行されています。全身麻酔で行われますが、手術自体は短時間で終了します。
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眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 206 0 1.00 0 74.93
K2822 水晶体再建術 眼内レンズを挿入しない場合 - - - - -
 眼科での手術は白内障に対する水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)がほとんどでした。この水晶体再建術は当院では1泊2日で行われ、例年200件以上施行されています。両眼に白内障を患う患者さんは片眼手術後に一旦退院し、多くの方が2週間後再入院した上で手術を施行されています。高齢化に伴い、今後も需要は増大していくと思われます。
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その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 14 0.18
180010 敗血症 同一 17 0.22
異なる 40 0.52
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 43 0.55
異なる - -
 当院では緊急かつ重症な患者さんを多く受け入れています。そのため、入院の理由となった疾患からその他の合併症を生じることもあります。
 播種性血管内症候群とは様々な重症基礎疾患により、本来出血箇所でのみ生じる血液凝固反応が、全身の血管内で無秩序に起こる症候群であり、敗血症は感染症をきっかけにして体内に病原体が侵入し、全身に炎症反応が現れている状態のことを言います。両者は悪性腫瘍や血液疾患・糖尿病などの基礎疾患がある場合や高齢者・手術後の患者さんの状態悪化に伴うものが多く、早期の診断と治療開始で懸命な治療にあたっています。
 また、手術・処置等の合併症では透析患者さんのシャント閉塞、ペースメーカー電池消耗、脳・脊髄シャントの機能不全に対する手術目的入院や透析・予防接種による副反応に対する治療目的の入院が多くなっています。
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更新履歴
2017/09/27
「平成28年度 病院情報の公表」更新